MUSE





以前のmuse maker
では時代のmuseと化したBBの話を書いた

そもそもmuseとは音楽・舞踏・学術・文芸を司る女神の名前である。
現代で使われる意は芸術家(多くは男)にインスピレーションを与える女



Museの代表格と言えば、ポップアートの生みの親
Andy WarholのそれであったEdie Sedgwick

精神疾患で、一生子供を持ってはいけないと言われた父親の元に
生まれた8人の子供の1人
兄2人を、1人は自殺、もう1人は自暴的な事故により失くしている
そんな彼女も幼い頃から精神不安定で、10代の最後の頃は
拒食症で入退院を繰り返す


1964年、彼女が21歳の時にNYに移り住み、翌年1965年にAndyと出会う。
彼の映画にいくつか出演を果たしているイーディーであるが
なんとこの2人が共に時間を過ごしたのは65年の3月
から翌年の4月というたった1年。
そんなにも短い1年という時代が、後に伝説的に語り継がれる
時代を代表するアーティストとミューズの関係だったとは知る由もない

しかし、出会ってから1年の月日の2人はまるで双子
のようにくっついて片時も離れなかったという



Leopard-Skin Pill-Box Hat

彼女とANDYの間に亀裂を入れたのはあのボブディラン。
彼もANDYの創作場であるファクトリーに出入りしていた1人であった。

以前からドラッグ中毒であったイーディーは手に負えず、翌年破局を迎える



その後、かの有名なチェルシーホテルに移り住み
映画に出演、VOGUEからオファーがありつつも
ドラッグアディクトにより、全てを無にしてしまう

晩年は実家のカルフォルニアに帰り、
アディクションから抜け出そうとするが、
28の年に薬物の過剰摂取で死を迎える


彼女の若すぎる死は、必然的だったように思う
彼女はNYのpartyシーンに現れた21の時から
人々を惹きつけてやまなかったという

愛らしい顔はもちろんのこと、
彼女のはsomething 何かがあったのであろう

なんでもない女をmuseとし、
創作意欲をかき立てる
Andyの作品には切り離せない女になったのも
彼女が持つ、フラジールで不安定、そして刹那的な
態度、声色、表情、生き様だったかもしれない



もう1人MUSEを紹介しよう
このブロンドの、日本人の女の子が目指すヴィジュアルにドンピシャな
ブロンドに青い目のドーリーフェイスは一体誰のミューズであったのだろうか?



彼女の名前はパティボイド

歴史的偉大なビートルズのジョージハリスン
そしてエリッククラプトンのEXワイフである



ミックジャガーそしてジョンレノンでさえも彼女に夢中であったという
イギリスの華やかな時代のスター達から
賞賛され、時に狂わせたファムファタル


彼女の存在はまたスター達にインスピレーションを与え、
多くの名曲が生まれた




人妻でありつつも更なるスター達に口説かれてしまう
ほぼ全ての男を魅了する
彼女とその他の女達の違いとか
一体何であったのだろうか



Isn't it a pity

ジョージハリスンが彼女に送った曲
Isn't it a pity
Isn't it a shame
How we break each other's hearts
And cause each other pain
How we take each other's love
Without thinking anymore
Forgetting to give back
Isn't it a pity


何て残念なんだ
何て恥ずかしい
どれだけお互いを傷つけあったの
そしてどれだけの痛みを
どれだけお互いの愛を奪いあったのか
相手を思いやることもなく
仲直りすることも忘れてしまった

なんて残念なんだ



彼の未練が歌詞の隅々に表されている

彼女は
男を破滅させるるファムファタルという
名称の方が似合うかもしれない

しかしながらこの悲恋なる思いが多くの名曲を
残したという点ではやはりMUSEなのであろう



次に彼女が狂わせたスターは
エリッククラプトン

誰もが聞いたことのあるであろう
Laylaは彼女がまだジョージと婚姻関係にある時に
エリックが隠しきれない恋心を歌ったものである

彼女はジョージの友人でもある彼に
彼女達に夫婦関係を相談していた

やがて婚姻関係を結ぶ2人だが、エリックのアルコール、
ドラッグ中毒、止まない浮気に耐えかねいずれ破局を迎える


I tried to give you [consolation]
When your old man had let you down.
Like a fool, I fell in love with you,
You turned my whole world upside down.

Layla, you've got me on my knees.
Layla, I'm begging, darling please.
Layla, darling won't you ease my worried mind.

君を慰めようとしたんだ
君の古びた男が君を落ち込ませた時。
バカみたいだよ、君に恋してしまった
君は僕の世界をひっくり返した

レイラ、君にひざまずくよ。
レイラ、頼むから、お願いだダーリン。
レイラ、ダーリン、僕の心配な心を安心させてくれないか。



今も私たちが愛して止まない名曲や作品は
彼女達のようなMUSEの存在なしには
生まれえなかった

しかし悲しいかな、どの女達もhappily ever afterとはいかず
美や芸術を司る女神の称号を得た特別な女達の
行き着く場所が死や孤独であったということがなんとも切ない

最近取り上げるのは60年代の人間
破滅的でも、魅力でスタイルを貫き通そうとする人間が多かった
その時代を生きた彼女達の存在は今も残る作品に影をみる

MUSEというのは男にとってはもちろんのこと
女の私達にとっても実は憧れの存在であったりする

儚く刹那である若さや美
愛らしい顔、不安定ながらにどうにか生きようとする頼りなさ
幸せな生き方ではないにせよ、彼女達から学ぶ
憧れの世界に生きる女の在るべき姿は少なくはない



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