sid and nancy
sid&nancyという、歴史に残るカップルを知っているだろうか。
まだ若くどうしようもなくコントロール不能で、時代に翻弄され、
弱さが故にお互いがお互いを求めて傷つけあってやまなかった若き男と女
シド ヴィシャスという伝説的なロックスターと
グルーピーの1人であった名もない女の物語
結末から言ってしまうと、まだ20歳そこらの2人は最終的に薬漬けになり
朽ち果てる
ナンシーはナイフでさされるのだが、もちろんすべての時間を
共にしていたシドに容疑がかかる
映画はそのシーンからはじまる
ニューヨークはチェルシーホテルの
荒れた部屋、血だらけの2人
『出会ってしまった』
その因果が2人がいた伝説的な時間の、
そして結末までの全てであった。
一時も離れることのできない半身
それは現代のわたし達が夢みてやまない、
欲しくてたまらない、つい寂しい日の夜空に祈ってしまうものだったりする
孤独を感じるのは、心から信じられる人がいないから
絶対に自分から離れないという人がいるという保証がないから
人は一人で生まれて、一人で死んでいくが、
そもそも生の理由がわからない、険しい道では
絶対に裏切ることのない、離れることのない
自分にかつていたはずの一対との再会を願う
片方を失ったら生きていくことができない
ナンシーの死後、シドは後を追う
シドが母親に残した遺書
『俺達は一緒に死ぬ約束なんだ。こちらも約束を守らなきゃならない。
ナンシーの隣りに埋めてくれ。
レザージャケットとライダース・ブーツを着せたまま…さようなら』
わたしはロックやメタルが元来大嫌いだった
頭に響く雑音、意味のない叫びが自分を汚すような気さえした
今はロックッスターに生き方を投影する人々の
気持ちが分かる
彼らは彼らの名前で、生の叫びをパフォーマンスし
客を熱狂させる
ビジネスを計算したパフォーマンスではなく
真の心の叫びでなければ伝わらない
真の心の叫びでなければ伝わらない
本当は繊細でどうしようもなく弱い男の子が
スタッズのついたライダース、レザージャケットに本性をかくして
世の不条理、ばかばかしいこと、怒りを叫びぶつける
繊細すぎる彼らは酒やドラッグにはまり、
ムチが故周囲の人間に翻弄され道をはずしていった
一時は富を得たであろう2人に美しい時間の描写は全くない
心の内を語らず、周囲を整え美しく暮らすことよりも
ぶつかりあって荒廃の世界を選んだ二人
ロックのパフォーマンスと
2人のぶつかり合いに同じ絵をみる
意味がなくて破壊的で美に反した光景
だけど、ぶつけなければすまない想い
本気の想いを都度伝えるそのエナジー
彼らに憧れてやまない人が世界に溢れるのは
その生きることへの真剣さなのではないか
大好きな映画です。
返信削除juliaさんの文章を読んで、
好きな理由がそういうことだったんだ!とわかって
ちょっと泣けてきました。。。
akiko
http://kimonosnack.blogspot.com
akikoさん
返信削除ありがとうございます!!
わたし自身ロックは嫌いな方だったのですが、
この2人の物語を知って、興味を持つようになりました。
彼らのようにまっすぐ生きたいものですっw